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弁護士ブログ

二回試験の結果について思うこと


先日司法研修所の卒業試験(通称2回試験)の結果が発表されました。無事合格した方々について祝意を表したいと思います。

ただ合格したとしてもかなり大変なようです。
先日のNHKニュースの報道によると
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121221/k10014340751000.html
新司法試験に合格して卒業した人のうち弁護士登録を行わなかった人が合格者全体の1/4,合計540人に及んだ,ということです。
もちろん裁判官や検察官になる人もいますし,一般企業に就職するという人もいますから一概には言えませんが,おそらく弁護士の増員により就職先がなく,かつ登録すると弁護士会の会費など経済的負担が発生するため登録を見送ったと思われます。
非常に残念なことだと思います。

私は登録して12年目になりますが,つくづく思うのはこの仕事は重たい仕事だと言うことです。
顧問弁護士を抱えていて頻繁に弁護士に依頼する,と言う会社は別ですが,大抵の一般の依頼者,特に法人ではなく個人の方は,一生に一度のこととして弁護士に依頼してきます。例えば離婚であり,相続の紛争であり,債務の問題であったりします。
弁護士にとってはたくさんある事件の一つなのかも知れませんが,依頼者にとっては一生の問題です。ですので,僕ら弁護士も責任感を持って対処する必要があるのではないかと思います。私も登録して12年目になりますが,自分の実力が足りないため,依頼者の要望に応えきれなかった案件も多々あり,その度ごとに残念な気持ちになります。

このように依頼者にとって一生に一度の案件を扱うわけですから,当然僕ら弁護士には相応の能力と意欲,もちろん登録後の研鑽が求められるのではないかと思います。ただそのような仕事であるにもかかわらず,就職難や会費の負担などと言う経済的事情により,志半ばで弁護士登録を断念するというのは極めて残念なことであると思いますし,また法曹界からの人材流出になり,危険なことだと思います。また登録した人も当初から奨学金等の負担がありますので(法科大学院の費用は高い上に,現在は修習中の経済的負担も増えています。),法曹としての研鑽が出来る環境が整備されているとは言えないのではないでしょうか。

今後司法試験制度は改正されると思いますが,是非意欲があり,能力のある人がいい仕事が出来るような環境を作るような制度,であってほしいものだと思います。

弁護士:笠原 裕治
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