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弁護士ブログ

離婚した後子供に会いたい場合・・


久々のブログ更新です。

 最近離婚事件の手持ち事件が徐々に増えてきました。先ほど数えてみたところ,離婚及びその関連事件(協議・調停・裁判離婚,養育費,認知,子の引渡,親権者変更,不貞相手への慰謝料請求等々)で合計15件。
 変動はあるものの,常時この程度は手持ち事件としてあるようです。北海道は実に離婚が多い・・。

 ところで離婚する際,子供の親権が問題となることが多々あります。通常幼い子供の場合は母親とされることが多いのですが,その場合別れた父親としては子供に会わないと,子供との縁が徐々に薄れていってしまいます。もちろんその父親に子供に対する情がない場合や,何らかの理由で子供に会えない場合は別ですが,普通子供に会いたいと思うのは親としての情でしょう。
 その親が子供に会いたい,と言う権利を面接交渉権といい,離婚する際にある程度の取り決めがされるのが通常です。また離婚の際取り決めをしなかったとしても,家庭裁判所に面接交渉の調停を申し立てて,相手方と調停が成立させることで取り決めることが出来ます。

 ところで裁判なり,調停なりで面接交渉の条項を決めたからと言って,「裁判所の書類があるんだから強制執行だ!」とはいきません。例えば裁判所に強制執行の申立をしたとしても,裁判所の人が直接相手方の元に出むいて,裁判所に連れてきて面接交渉をさせる(直接強制),などと言うことは絶対に出来ません。何故ならそんなことをして無理矢理子供を会わせても,子供のためにならないばかりか,場合によっては子供にトラウマを植え付けかねないからです。

 ただ直接的な強制は出来なくても,間接強制,具体的には面接交渉の取り決めに違反した場合1回当たりいくら,と言う制裁金を科す手続を行うことは可能です。
 この点について平成25年3月28日,最高裁は,面会の日時・頻度・時間・子の引渡の場所などを具体的に定めていれば,間接強制の申立は可能,との決定を行っています。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130401161551.pdf
 ただ逆に言えば面会の日時,場所等を具体的に決めていなければ間接強制の申立は出来ない,と言うことになりますので,注意が必要です(現に同日付の決定で棄却された案件があります)。
 正直子供の立場を考えると,面接交渉において余り具体的な場所や日時を決めて,子供を拘束するのは若干疑問がないではありません(例えば時間を設定しておいたら,子供が急に友達と旅行に行くことになった場合,それをキャンセルさせて面接交渉させたら,子供が相当に傷つくと思います)。
 ただ親が幼い子供を抱え込んで別れた相手に会わせない,という場面も多々あります。そのような場合に必要があると思い,今回紹介させていただきました。

 子供にとって両親はかけがえのないものです。これは離婚したとしても同じで,離婚して両親がそれぞれ感情的になっていたとしても,子供にとって親は親なのですから,子供を巡って争うのは本当は好ましくありません。
 このような条項を使うようなトラブルがないことが一番いいことだとは思います。

 

弁護士:笠原 裕治
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