このブログでもご紹介させていただきましたが、去る11月14日に、北海道弁護士連合会とサハリン州弁護士会の交流20周年を記念したシンポジウムが開かれました。シンポジウムでは第一部でロシアでコンサルティング会社に勤務している松嶋希会さん(日本国弁護士)の講演がなされた後、第二部では松嶋さんのほか、サハリン州の弁護士であるタンジリャ・イヴァノヴァさんとリジャ・ロシチュキナさん、ユジノサハリンスク仲裁裁判所裁判官であるオリガ・ボヤルスカヤさんの4名で、ロシアの司法制度やロシアに進出した会社が直面する法的問題等についてディスカッションがありました。ロシアで現実に法的問題に携わっている皆さんの生の声を聴くことができ、法律実務家として非常に勉強になりました。
裁判官のオリガさんは、日本の企業はアメリカなどの他国に比べて法的安全性を図る努力を怠っており、その結果として撤退に追い込まれていると指摘していました(シンポジウム内ではサハリンでの実例を挙げていました)。日本がサハリンにおいて不愉快な目にあうのは、日本の会社がロシアの法律を調べておらず、専門家の支援も受けていないからだということです。仮に法的紛争があったとしても、ロシアで裁判所を使うことにより権利を実行することはできるので、ロシアの法律家の支援を受けて問題解決をすることを考えてほしいとも話しておりました。この点、ロシアでは日本の裁判の判決があっても、二国間協定がないことからロシアでの執行ができないという問題点があり、日本法をつかう日本の弁護士の力だけでは問題解決が難しい点があります。裁判官の指摘通り、ロシア進出の際には日本国内だけではなくロシアの弁護士の力も借りるべきであると思います。
また、サハリンの弁護士からは、ロシアのビジネスや法的問題に関する情報が日本にはあまり出ておらず、その一方で日本の会社がロシア進出に関してハードルになっている問題点についてもロシアにはあまり伝わっていないという指摘もありました。ロシアと日本との情報交換にあたってはこうした大きなシンポジウムだけではなく、これまでの交流でできたパイプを使っていくことができればよいと思います。私個人としても、サハリン州弁護士会やロシアとは今後も交流を続けていくつもりですし、そこで得た情報等をブログやツイッターを利用して皆様にもお伝えできればと思います。
このブログでもご紹介させていただきましたが、去る11月14日に、北海道弁護士連合会とサハリン州弁護士会の交流20周年を記念したシンポジウムが開かれました。シンポジウムでは第一部でロシアでコンサルティング会社に勤務している松嶋希会さん(日本国弁護士)の講演がなされた後、第二部では松嶋さんのほか、サハリン州の弁護士であるタンジリャ・イヴァノヴァさんとリジャ・ロシチュキナさん、ユジノサハリンスク仲裁裁判所裁判官であるオリガ・ボヤルスカヤさんの4名で、ロシアの司法制度やロシアに進出した会社が直面する法的問題等についてディスカッションがありました。ロシアで現実に法的問題に携わっている皆さんの生の声を聴くことができ、法律実務家として非常に勉強になりました。
裁判官のオリガさんは、日本の企業はアメリカなどの他国に比べて法的安全性を図る努力を怠っており、その結果として撤退に追い込まれていると指摘していました(シンポジウム内ではサハリンでの実例を挙げていました)。日本がサハリンにおいて不愉快な目にあうのは、日本の会社がロシアの法律を調べておらず、専門家の支援も受けていないからだということです。仮に法的紛争があったとしても、ロシアで裁判所を使うことにより権利を実行することはできるので、ロシアの法律家の支援を受けて問題解決をすることを考えてほしいとも話しておりました。この点、ロシアでは日本の裁判の判決があっても、二国間協定がないことからロシアでの執行ができないという問題点があり、日本法をつかう日本の弁護士の力だけでは問題解決が難しい点があります。裁判官の指摘通り、ロシア進出の際には日本国内だけではなくロシアの弁護士の力も借りるべきであると思います。
また、サハリンの弁護士からは、ロシアのビジネスや法的問題に関する情報が日本にはあまり出ておらず、その一方で日本の会社がロシア進出に関してハードルになっている問題点についてもロシアにはあまり伝わっていないという指摘もありました。ロシアと日本との情報交換にあたってはこうした大きなシンポジウムだけではなく、これまでの交流でできたパイプを使っていくことができればよいと思います。私個人としても、サハリン州弁護士会やロシアとは今後も交流を続けていくつもりですし、そこで得た情報等をブログやツイッターを利用して皆様にもお伝えできればと思います。