弁護士法人道北法律事務所(旭川・名寄)

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弁護士ブログ

2013年

弁護士に依頼する際の注意事項


最近相当にサボり気味でしたが(汗),久々に投稿させていただきます。

今日は弁護士に依頼する際の注意事項についてお話ししたいと思います。

法律相談を受けていると「もっと早く相談に来ればいいのに」という相談者によく出くわします。
ただそういう人に「なんでもっと早く相談しなかったの?」と言った際,よく言われるのが
「弁護士は「先生」とか言われていて,偉そうで,相談しにくい。」
「以前相談したことがあるが,とても話しにくくて,嫌だった。」
「弁護士費用がいくらかかるか説明がなくて,不安だった。」
という台詞です。
またたまに
「依頼したのはいいのだけど,弁護士費用についての契約書がなく,どの程度費用がかかるか分からなかった」
「契約書もないのにものすごい高い成功報酬を請求された」
という話まであります。

そういう話を聞いていると実に残念な気持ちになります。

実は「紺屋の白袴」などと言いますが,法律関係を扱う弁護士であるにもかかわらず,自分が依頼を受ける際には契約書を取っていない,
という弁護士は以前は決して少なくありませんでした。
また「先生」と呼ばれる立場にあぐらをかき,依頼者に対してろくろく説明もせず受任し,事件処理をする,という弁護士がいたことも否定できません。

しかし平成16年に弁護士職務基本規定が制定され,その中で依頼を受ける際の注意事項がいくつか定められております。
概要は以下のとおりです。
1.弁護士は事件を受任するに当たり,処理の方法,弁護士報酬及び費用について適切な説明をしなければならない(29条1項)。
2.依頼者の期待する結果が得られる見込みがないにもかかわらず,見込みがあるように装って受任してはならない(29条3項)。
3.受任するに当たっては弁護士報酬に関する事項を含む委任契約書を作らないといけない(但し緊急性があるときやごく簡易な書面作成等を除く)(30条)。

要は「事件を受けるに当たっては見通しを説明しなさいよ,勝てる見込みがないのに勝てると言って受けちゃいけないよ」「契約書は作りましょうね」ということです。
一般社会ではごくごく当然のことですよね(笑)。
まして我々は,「契約書がないじゃないか,だから代金は払わない」とか
「手術を受けるに当たってそのリスクを説明されていないから説明義務違反だ!」
などと裁判で主張するのですから,自分が依頼を受ける際にもそれを守るのは当然のことですよね。

ただ弁護士職務基本規定が制定されてから既に10年近くがたちますが,残念なことに未だ依頼を受ける際に委任契約書を作成していない弁護士がいるのも事実ですし,
またろくろく説明もしない,報告もしない弁護士がいるのもまた事実です。

もし今後弁護士に依頼する機会がある場合に上記のような不満を持ったら,是非このブログの記事を思い出していただいて,
「確か委任契約書ってのを作る必要があるんだな」
「依頼者には説明を受ける権利があるんだな」
と考えていただけると幸いです。
また前記したように,これらの義務は弁護士職務基本規定に定められた義務でもありますので,もしそんな弁護士に当たったら,依頼する際に一考した方がよろしいと思います。

なお当事務所ではホームページにも記載があるとおり,事件の受任に当たっては丁寧に説明をすることを心がけております。
もし当事務所の依頼者の方,若しくは相談をしようと考えている方で,ちょっとわからない,という方がいらっしゃれば遠慮なくお申し付けください。

弁護士:笠原 裕治

弁護士ドットコム「弁護士列伝」に掲載されました(大窪)。


弁護士ドットコム「弁護士列伝」からインタビューを受け,取材内容が掲載されました。

http://blog.livedoor.jp/bengoshiretsuden/archives/51411347.html

笠原弁護士は昨年12月に同じく「弁護士列伝」にインタビューが掲載されており、これに引き続きの掲載となります。

http://blog.livedoor.jp/bengoshiretsuden/archives/51375158.html

弁護士:大窪 和久

民法の非嫡出子(婚外子)と嫡出子の遺産相続分の規定への違憲判断について


 既に大きく報道されておりますとおり、最高裁判所は結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を嫡出子の半分と定めた民法の規定が違憲であるとの判断を下しました(平成25年9月4日 大法廷決定)。既に決定の全文が最高裁のサイトにて公開されています。

 民法の900条では相続人間の相続分が定められており、同条4号本文では、「子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする」と書かれています。例えば父親が亡くなり相続人が子ども複数しかいない場合には、父親の財産はそれぞれ等しい割合で各子どもが相続することになるのです。ただし、民法900条4号但書前段は、「ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の二分の一」とすると定めています。例えば、父親が亡くなり、相続人が子ども二人である場合でも、一方の子どもが父親が結婚した母親から生まれた子ども(嫡出子)であり、もう一方が結婚していない母親から生まれた子ども(非嫡出子)である場合には、前者が父親の財産の三分の二を相続することになり、後者が父親の財産の三分の一を相続することになるのです。

 この規定に対しては、生まれてくる親を選ぶことができない非嫡出子を区別することは非合理的であり、法の下の平等を定める憲法14条に反し違憲ではないかという批判がかねてよりありました。しかしながら、最高裁は平成7年にこの民法900条4号但書前段は合憲であるという判断(平成7年7月5日 大法廷決定)をしており、実務上も同条文を前提としてきました。

 しかしながら、今回の最高裁決定では、民法900条4号但書前段が「遅くとも平成13年7月当時において、憲法14条1項に違反していた」と判断していますので、このことにより今後の実務が大きく変わることとなります。この点、最高裁決定は、平成13年7月から今回の決定が出されるまでの間に民法900条4号但書前段を前提としてなされた遺産分割協議や審判により法律関係が確定している場合はこの決定は影響を及ぼさないとしており、これらすでに終わった協議や審判が蒸し返されるということはないと思われます。一方、平成13年7月以降に相続が開始され、かつまだ協議等で法律関係が定まっていない場合には、本決定に基づく形で実務がなされることとなります。なお、今回の最高裁決定まで相続分に関する判断を見合わせていた裁判官もいらっしゃったと聞いておりますが、最高裁の違憲判断が出た以上民法900条4号但書前段を適用させた判断をすることはもはやないでしょう。

 今回の最高裁の決定で一つ気になるのは、平成7年に最高裁が合憲とした後で、「遅くとも」平成13年7月当時においては民法900条4号但書前段が憲法14条1項に違反していたとすると、平成7年の決定から平成13年7月までの間に相続が開始した場合についてはどうなるのかという点です。この点については今回判断がなされているわけではないので、今後最高裁を含めた各裁判所での判断の積み重ねをみていく必要がありそうです。

弁護士:大窪 和久

ソーシャルゲームの落とし穴


 当事務所では一時期のピークの時期には及ばないものの、現在も多重債務の相談を多く受けます。多重債務の相談の中で相談者の家計状況をお伺いするのですが、その中でここ一年の間にソーシャルゲームに多くのお金を使っている人が何人かありました。一ヶ月あたりの携帯代金が異常に高いので聞いたところ、いずれもソーシャルゲームでの課金を行っていたというのです。

 携帯電話サイト等で遊ぶことのできるソーシャルゲームは、開始する際には無料として門戸を開けていますが、ゲームを進めるにあたり有利となるカード、キャラクター、アイテムを手に入れるには課金を必要とします。しかも、有利なカード等を手に入れるためには単に課金を行えばいいのではなく、いわゆる「ガチャ」「ガシャ」と呼ばれているくじをひき、当たりをひかなければならないシステムを採用していることがほとんどです。こうしたくじをひく為に一回数百円程度の料金がかかりますが、ゲームの目玉となっているようなレアカードをあてるためには確率論上数万円以上の課金を必要とすることが多いです。

 この点、昨年5月に消費者庁が上記くじ引きシステムの一つである「コンプリートガチャ」が景品表示法に抵触するためゲーム会社に運用の見直しを行うよう要請しています。コンプリートガチャとは、例えば六つの決められた当たりカード等をガチャで全て引き当てた場合、目玉となるカードを手に入れることができるというものです。消費者庁によればこれが景品表示法の禁止する「絵合わせ」くじにあたり違法となるということです。この消費者庁の判断を受けてゲーム会社は「コンプリートガチャ」を中止しています。しかしながら、ガチャというくじ引きの手法自体が違法とまで消費者庁は判断しておらず、形を変えて各ゲーム会社は利用者から課金額を引き上げるための工夫(別システムのガチャの導入など)を行っています。

 こうしたくじ引きシステムの問題点としては、有利なカード等を手に入れさせるため多額の課金を必要とさせる一方、携帯電話料金やクレジットカード決済を代金支払い方法として利用させるため、利用者に知らず知らずのうちに高額な負担をさせてしまうところにあると言えます。カード等をネットオークションで販売するといった方法をとらなければ有利なカードを得たところで金銭的な利益はありませんが、それを除けばギャンブルと同様と言っても差し支えないと思います。それにも関わらず、ソーシャルゲームに対する特別な法規制が今のところありません(前記した景品表示法もソーシャルゲームができるずっと前の法律であり、ソーシャルゲームを想定したものではありません)。消費生活センター等にもソーシャルゲームに関する相談(高額の請求をされたというものなど)も相当増えており、ギャンブル同様の射幸性をもったソーシャルゲームがこのまま法規制がなされないままでいいのかは正直疑問があります。

 ソーシャルゲームの課金システムで最も問題になるのが、未成年者の利用についてです。親の携帯電話を使って未成年者が高額の課金を行ったので、親がゲーム会社に契約の取り消しを求めても事業者がこれに応じないというトラブルはよく消費生活センター等に寄せられています。法律上は契約の一方当事者が未成年の場合、法定代理人(親等)の同意の無い場合は取り消すことができることが原則です(民法5条2項)。ところが事業者から「年齢確認の表示はしていたが、子どもが虚偽の年齢を通知している。これは民法21条の「詐術」にあたるから、取り消しは認めない」という反論がなされ、取り消しに応じないケースが多々あります。確かに民法21条は、未成年者でも成年であると欺く行動をして誤信させた場合には契約の取り消しを認めない旨を定めていますが、対面方式の契約ではないソーシャルゲームの場合未成年者が容易に利用してしまうことができる特有の問題がありますので、年齢確認画面の存在のみで一律に詐術にあたるとすることはできないと私は考えます。しかしながら、上記事業者のような対応で泣き寝入りをしている方も多いのではないでしょうか。

 上記のような問題点をふまえ、消費者庁は本年4月にソーシャルゲームに関し、有料課金の状態を随時確認すること、保護者は課金状況を定期的に確認すること、不審な点は消費生活センターに相談することなどの注意喚起を行っています。門戸が広く多くの人が遊ぶ様になったソーシャルゲームですが、利用するにしても落とし穴が大きいことを認識して利用すべきですし、未成年者の利用に関しては特に注意すべきだと思います。

弁護士:大窪 和久

夏季休業のお知らせ(名寄事務所)


名寄事務所において、本年8月12日から16日まで夏季休業とさせていただきますので、ご案内申し上げます。

業務開始は土日(通常休業)後の8月19日となります。

休業期間中はご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承のほどよろしくお願いいたします。

また、旭川事務所においては、夏季休業期間はありませんので8月は暦通りの営業となります。

弁護士:大窪 和久
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